介護福祉事業所の労務については、かなり特殊な取扱がなされています。
行っている事業によってそれぞれ問題点が異なってきます。
<訪問系事業の場合>
・いわゆる「『登録』ヘルパー」と呼ばれるものが、どういった契約形態になっているのかわからない
・給与計算が非常に難解で、処理をするのに手におえない状況になる
・利用者とヘルパーの連絡調整に追われてしまう
・人員配置などの人員管理が非常に難しい
・マンツーマンのケアが多く、ヘルパーの状況を把握しづらい
<昼間の通所系事業の場合(デイサービスなど)>
・業務の流れがしっかりと出来上がっていない
・短時間のうちに雑多な業務が大量にあり、こなすことができない
・限られた人員で多くの利用者を見ることができない
・日によって利用者の数にばらつきが大きく、日々の職員の負担度がかなり変化する
・高めのテンションを維持することに職員が疲弊している
<入所系事業の場合(特養など)>
・介護度が高い利用者の介護で身体的な負担が大きい
・夜勤などによる疲労が大きい
・シフトを組むのが非常に難しい
・労働時間管理が複雑になる
・残業代計算が煩雑で難しい
<すべての事業所に共通の事項>
・いわゆる「3K」と呼ばれる職場で、職員が集まらない
・離職率が非常に高く、せっかく採用した職員が定着しない
・職員のモチベーションの維持が難しい
・職員による利用者への虐待が生じてしまった
・不適切なケアによる事故が生じてしまった
・賃金を上げたくても上げられない
・限られた場所や時間での業務や、いわゆる「感情労働」によって、職員が疲弊している
このように介護福祉事業所特有の労務の問題点が多数ありますが、これらを改善するためには次のようなことが考えられます。
1.就業規則を整備し、労働条件を明確化すること
2.人員配置の方法を見直すこと
3.研修を行うなど職員の能力向上のための支援を行うこと
4.パート職員や契約職員を正社員に転換すること
5.処遇改善加算を取得し、賃金を向上させること
6.業務マニュアルを作成し、業務を標準化すること
7.福祉機器を導入すること
8.ICT機器を使用し、効率よく労務管理を行うこと
9.メンタルヘルスに対する取り組みを行うこと
10.職場内でのコミュニケーションを円滑・活発にすること
春日部介護福祉事業労務支援センター
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