労務管理は、最低でも法律に従って行わなければなりません。
関連する法令は多数ありますが、大切なものとしては次のようなものがあります。
労働基準法:労働条件の最低基準を定めるもの
最低賃金法:賃金の最低基準を定めるもの
労働保険に関連する諸法令:業務中の災害(労災)などに対応するために必要な強制加入保険や、失業手当(一般的に「失業保険」などと言われるもの)などに関する強制加入保険などについて定めるもの
社会保険に関連する諸法令:厚生年金や健康保険などの強制加入保険などについて定めるもの
これらに関する事務手続きなどは事業所の「義務」として行わなければならないものが多数です。
義務である以上、もしそれらの手続きがなされていなかった場合はペナルティーが科される場合もあります。ですから、まずこうしたものの手続き等は、間違いなく行われなければなりません。
(※「努力義務」すなわち「やらなくても違法ではないけれどもやるように努力する義務」とされるものもありますし、事業所ごとに任意決定できるものも多数あります。)
また、確かに「義務」ではあるのですが、これらを守ることが職員を守ることにつながります。
例えば介護現場では事故が生じてしまうこともたびたびありますが、それによって負傷した職員については、労災保険から各種給付が出ることもあります。
また、労働基準法を守っていれば、労働時間や給与の計算などが理論上正しく管理されていることになりますから、もし社員から不平・不満が出た場合でも、一つの正しい見解を示すことができるようになります。正しい見解を示すことができることが、「ホワイト企業」への道とも言えます。
人材確保が難しい昨今ですが、給与を上げることができなくても、労働条件や職場環境を整備すればそのことによって人材確保ができるようになるとも言えます。
給与が高くても、労働条件や職場環境が悪ければ人材は辞めてしまいます。ですから、労働条件や職場環境の整備を進め、人材の定着を図ることが、安定した介護福祉事業所経営の基盤となるといえるでしょう。
労務管理のチェックポイントは多数ありますが、特に大切なものは次のような点です。
・労働保険に加入していますか?
・社会保険に加入していますか?
・採用時に労働条件などを説明していますか?
・労働時間管理が適切に行われていますか?
・有給休暇の管理が適切に行われていますか?
・給与計算が適切に行われていますか?
・労働者名簿・賃金台帳・出勤簿がありますか?
・就業規則は整備されていますか?
・その他各種法令への違反はありませんか?
こうした点は、都道府県などによる集団指導や実地指導でも繰り返し指摘されるものだと思います。
もちろんこれらは「やらなければならない」ものです。
ですが、内容が非常に難しく、実は指摘されている内容自体が理解できないという場合も多いのではないでしょうか?
そういった場合は、ぜひ労務管理の専門家である社会保険労務士に相談してみてください。
わからないものをわからないままにしておくことは、非常に危険です。
まずは、わからないことが少なくなるようにして、そこから少しずつでも改善していくことが良いのではないでしょうか。
春日部介護福祉事業労務支援センター
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